
多くの人が、DropboxやGoogle Drive, iCloud, Microsoft OneDriveなどのクラウドストレージを利用していることだろう。
自分がDropboxなどのクラウドストレージに期待しているのは、「ローカルストレージ節約」と「データ消失の防止」の2点だ。
ローカルストレージがMac Book Airの128GBしかなく、かなりクラウドに依存しているのは間違いない。大切なファイルのバックアップも重要だ。
ただ逆に、殆ど全てのファイルをクラウドに上げているため、割と頻繁にデータの出し入れがあり、かなり速度が早くないとストレスが溜まってしまう。
また当たり前ながら、クラウドで大容量を手に入れようとすると、それなりにお金も掛かってしまう。
冷静に考えると、わざわざクラウドを契約しなくても、もっと高速で、もっと安く、同じ目的を叶える方法があるのではないかという気がしてきた。
それが今回チャレンジするSSD2枚挿しのRAID1構成だ。
クラウドストレージの容量使い切るの無理説
私はDropboxを長らく利用してきた。
有料プランでは月1200円と高額だが、1TBもの容量が与えられ、ありとあらゆるファイルを保存しておくことができる。
しかしながら、実際問題1TBを使い切るのは相当難しい。
ローカルストレージを節約しつつ、Dropboxの容量を使い切ることを目的に、デジカメのRAW撮影データや、音楽ファイル、映像ファイルなどを保存してみたものの、ファイルの容量が大きくなれば大きくなるほど、ダウンロードに時間がかかるため、結局不便だ。
特にRAWファイルは、1枚1枚が大きく、プレビューにも時間がかかるため、せっかく保存していても見る機会がなくなってしまった。
それなりに閲覧頻度の高いファイルを保存する上では、「ローカルストレージ節約」と「データ消失の防止」に加え、「転送速度の速さ」という要素も重要になる。
こうなると、クラウドストレージは、回線速度に大きく依存するため、3つ目のポイントを満たすことは難しいだろう。
この3つの要請を全て満たしてくれる代替策として、SSDなど高速アクセスが可能な外付けストレージで、バックアップを自動的に取れるようにしてしまうことが考えられる。
RAID1でデータが消えない安心を手にする
RAIDとは、要は複数のHDDやSSDを組み合わせて使うことで、自動バックアップを取ってデータの損失リスクを減らしたり、2枚を合体させて本来より大きな容量を使えるようにしたり、色々便利になりますよ的な手法のことだ。
RAID0やRAID2など、RAIDの後に数字が来るのは、ざっくり何重に重ねられているかの値だと思えば良い。
DropboxやGoogle Driveなどの産業レベルの信頼性が求められる場では、それこそ超多重なRAIDが組まれていることだろう。
個人レベルでは、RAID1(2枚セットで1枚が全バックアップ=ミラーリング)で十分だろう。
ハードディスクの方が圧倒的に価格が安いため、1TBの内蔵HDDを5000円以下で買ってきて2枚重ねれば、わずか1万円で1TB分ものストレージの完成だ。
RAID1を組んでおけば、2枚のうちたとえ1枚が故障してしまっても、そちらを新しいものに変えれば、データが消えてしまう心配もない。
一度買えばあとは長期的に使い続けられるので、数年使えばDropboxより圧倒的にお得だろう。
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一方、転送速度を気にするならば、やはりHDDではなくSSDで外付けストレージを作りたい。
最近はSSDも相当安く、2.5インチの内蔵SSDであれば、500GBで8000円以下で購入することができる。
2枚重ねてRAID1とすれば、データ損失リスクが殆どなく、超高速な転送速度で500GBものストレージを利用することができる。
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今回は、こうした2.5インチの内蔵用ディスクをRAIDに対応したケースに収容して、外付けストレージとして使用することにする。
USB 3.1 Gen2で高速転送に対応したRAID1を作る
以上で入手したHDDやSSDを使ってRAIDを組むには、RAIDに対応したエンクロージャー(HDD/SSDのケース)が必要だ。
ケースの機能としてRAIDを組めるものを入手する方法と、ソフトウェア的に同じことを実現する方法があるが、今回は手軽さを重視して、ハードウェアサイドでRAID切り替えスイッチのあるケースを買ってしまう。
また、せっかくSSDを使用するので、転送速度を重視して、最大10Gbpsの転送が可能なUSB 3.1 Gen2に対応したエンクロージャーを入手する。
私の場合、カリフォルニアの企業であるAKiTiOのSK-2520を利用した。日本のAmazonでは1万7千円程度するが、アメリカのAmazonから直接購入すれば半額程度だ。
AKiTiO SK-2520は、USBパワーデリバリに対応したケースなので、このケースを経由してMac Bookなどを充電できるのがポイントだ。
外付けストレージを付けたり外したりするのは面倒なので、充電しながらずっと付けっぱなしにできるのが嬉しい。
また中に入れるSSDも、転送速度も信頼性も高いとされるSamsungの860 EVOを利用する。
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500GBの大容量ストレージが手に入るものの、ケースとSSD2枚で総額2万6千円程度なので、割と贅沢な構成と言えるかもしれない。
とはいえ2年以上使えば、毎年12,000円のDropboxの料金を節約することができるし、今後新しくノートPCを買うときも、本体容量は少なめで良いので、元は取れると考えている。
もちろんもっと節約したい人は、5,000円以下の1TBのHDD2枚で組めば、総額2万円以下で2倍の容量を実現することができるだろう。
大容量の映像やRAWファイルもサクサク利用でき快適!
外付けストレージであれば、Dropboxなどのクラウドストレージでは難しかった大容量の画像・映像ファイルのプレビューも快適に行うことができる。
今回は頻繁に出し入れするメディアファイルを想定していたため、SSDでRAIDを組んだが、使用頻度の低いファイルであれば、超大容量のHDDでRAIDを組んで、塩漬けにしておくのも良いだろう。
何より、ローカルストレージにしか保存していないと、「もしものことがあったら不安・・・」と思っていたが、単に外付けストレージに保存するだけでなく、RAID1で1枚死んでも大丈夫という安心感があるのが嬉しいポイントだ。
休日に閲覧するメディアファイルや、もう作業しないオフィス文書などは、全てRAIDの外付けに移した。
これによって、クラウドストレージに掛かっていた毎月1,200円のDropbox代を大幅に節約することができた。
現在進行形のオフィス文書など、容量が数十MBくらいの小さなもので、Mac, Windows, iPad, iPhoneなどマルチプラットフォームで頻繁に閲覧したいものは、Google DriveやiCloudなどの50GB〜100GB単位で契約できるサービスで、毎月100円程度を払って管理し続けるつもりだ。